月組 I AM FROM AUSTRIA 良質なミュージカル、そして鳳月杏の存在感

こんばんは、あさがおです。

 

気付けば前回の投稿から2ヶ月ほど経ってしまいました…。

 

実はその間に、宙組の「追憶のバルセロナ/NICE GUY」、雪組の「はばたけ黄金の翼よ/Music Revolution」も観に行ったのですが、書ききれぬまま月日が流れてしまいました…(^^;

 

そして、こちらもすでに千秋楽を迎えてしまったのですが、月組公演「I AM FROM AUSTRIA」。

 

これは、上演が発表されたときから、めちゃくちゃ期待していた演目でした。

ウィーン版、知りませんけど、絶対楽曲は良いに決まってる!(偏見)

ウィーン・ミュージカルって、ストーリーも日本人好みで面白いものが多いから、きっとこれも面白いに違いない!!(偏見)

そう思っていたので。

チケット馬鹿売れというほどではなかったみたいで、「みんな、勿体無いなぁ、絶対ムラで観ておくべきだよ」と思ってたんですよね〜。

ちなみに、私は月組に特別な贔屓はいません。

みんな好きですけど、何が何でも観なければ!というほどではないというか。

ですから、組や組子に思い入れがあって観ておくべきと思ったわけではなく、単に演目だけで、そう思っていたのでした。

 

実際、観た後も、「これは絶対観ておくべきやつだった!」と思います。

とても良質なミュージカルでした。

物語の設定も、流れも、登場人物のキャラクターも、派手すぎず、とてもバランスがよかったし、洗練されていました。

「マンマ・ミーア」同様、既存の楽曲を使った、ジュークボックス・ミュージカルとのことなので、もちろん一つ一つの楽曲も耳馴染みが良くて素晴らしかったのですが、全体的な調和も取れていました。

 

「NIX IS FIX」は明るくて、なんだか元気が出て、なんだってできるぞー!という気分になる歌。

「nothing is fix=全ては自由」という意味だそうですが、まさにそんな感じ(語彙力がなさすぎる)。

ありちゃん(暁千星)が歌うマッチョ?も、振り付け共々愉快で、客席参加型なこともあり、「わー!たーのしー!(^O^)」と思うこと必至。

 

でも、私が予想した以上に、というか、自分でも驚くほど感動したのは、「I AM FROM AUSTRIA」でした。

あの、こんなことを言ってはなんなんですが、ミュージカルで歌詞の意味を逐一理解しながら聴くことって稀というか、いや、「レミゼ」や「ミス・サイゴン」、「モーツァルト!」「エリザベート」などなどのように、全編歌で、セリフも兼ねているようなものはちゃんと頭に歌詞が入ってくるのですが、セリフは別にあって時々歌が入る場合は聞き流してしまうことが多いんです。

「I AM FROM AUSTRIA」も、歌詞はぼんやり聞いていただけだったんですが、なんなのでしょう、涙が出るかと思いました。

私がオーストリア人なら、絶対に涙するだろうなと思いました。

この曲が歌われるシーンの雰囲気も少なからず影響しているかもしれませんが、楽曲自体が持つ力なのではないかなと思います。

ものすごく、故郷に対する愛情と誇り、郷愁のようなものが胸にしみ込んできたんですよね。

「I AM FROM AUSTRIA」という歌詞も、ものすごく胸に響いて。

とてもとても強くて深い意味のある歌詞だと感じました。

外国で、外国人に囲まれる中で自分のルーツについて深く考えて言う「I AM FROM JAPAN」だと思えば、この歌詞に込められた感情が分かるかもしれません。

 

 

この歌は、日本の歌でいうなら、「ふるさと」なのかな。

 

 

本当に、もっと文才があれば良いのですが・・・。

でも、言葉では語れない感情が湧き上がる曲だったとも言えます。

多分、多くの方が心の奥深くに持っている、◯◯人としての誇りや国への愛着に訴えかけるんだろうな(愛国主義のことを言っているのではないです、念のため)。

この曲を聴けて、心を揺さぶられる体験ができただけで、観に来てよかった!と思えました。

 

 

 

そしてそして、タイトルにもあるとおり、ちなつさん(鳳月杏)の存在感よ!!

今回は、たまきち(珠城りょう)の父親役ということで、おヒゲをつけて、少しダンディーなおじさまでしたが、まあ大人の男の包容力と色気に溢れていたこと!!

それに少し(かなり?)お茶目で可愛い💞

そして相変わらず足が異常に長い👖

ジャケットの裾よりも足の付け根が上にあるため、どこまでが胴体なんだか分からず、永遠に足なのではないかと思ったほどです。

 あー、お顔もかっこよくて素敵だし、奥さん役の海乃美月ちゃんとの並びがまたビジュアル的に最強で💖

先ほども書いたように、登場人物全員が、みーんな(かなりの)個性があって、パパはその中ではおとなしい方なのですが(突然ギラギラの衣装着て踊り狂いだすこともなかったし)、パパが出てきたら、何をするのか何を言うのか気になってつい注目してしまう。

そして何をやっても半端ない安定感。

安心して観ていられる。

ボケるところも自然に笑える。

何より足が長い(関係ない)。

 

と言いつつ、一番驚愕したのは足の長さではなく(それはもう分かりきってる)、歌声です。

歌!前からお上手でしたけど、「えー?!こんなに上手かった?」って思いました。

カサノヴァで女役をされたときに、かんなり高音で歌い上げていましたけれど、そのおかげ??

低い音はもちろん、男役としてはかなりの高音も、めちゃくちゃ綺麗に自然に出ていて、「えー、もう性別関係なーい😫」って思ってしまいました。

いやはや、鳳月杏さん・・・。

めちゃくちゃカッコよかったし・・・(堂々巡り)

好きです・・・。

 

 

美園さくらちゃんはスタイルも良いし、お芝居も、ちょっとツンとした大女優をいやらしくなく可愛らしく演じていて、彼女独自の魅力をうまく見せてくれたなぁと思います。

お歌もお上手でしたが、もっと声をコントロールできるんじゃないかなと思いました。

声帯が柔軟すぎるのか、ちょっと声量がオーバーしてしまったり声質が変わってしまう部分があった気がします。十分うまいけど、もっとうまくなれそう。

とても楽しみです(^^)

 

大劇場復帰の月城かなとさんや、ありちゃん、おだちん(風間柚乃)も、とてもよかった。

おだちんは、「チェ・ゲバラ」で轟悠さんを食うほどの男臭い演技をしていたのに、今回はちょっと情けなくて可愛い男の子を好演していました。ちゃんと笑いも取れるし、やっぱり演技力高い子だなぁ。

 

あと、たまきち。彼、じゃない、彼女は、こういう役ぴったりですね。

癖がない、若くて誠実な男の子は、5組の中で一番ハマると思います。

途中、ジャケットを脱いで白シャツになるんですが、その白シャツ姿があまりにカッコよくて驚きました。

さすがです。

背中広いです。

胸板厚いです。

どんどん脱いでいただきたい。

 

 

 

 

明るく楽しく、たまにホロっと来て、トラブルが起きても総じておおらかに受け止めて笑いに変えちゃう、なんとも懐の深いミュージカルでした。

 

 

観に行けてよかった。

東京公演も行きますよ♫

どんな風に進化しているか、楽しみです☺️

 

 

ではでは。